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「…もういい…飲む…明日もなんかわかんないけど部長休めっていってたし…飲む…飛弦さん。何か作ってください」
「え?大丈夫です?」
「もういいんです…ください」
「わかった」
「ちょ!飛弦さん…」
そのあと久米が何か飛弦さんに耳打ちしてる。ずるい…仲良しじゃん…俺の快気祝いでしょ?意味わかんない
自分でも子供みたいだと思ったけどだって先輩が悪い。俺とこの数分話さないで他のやつばかりと話してるし…ずるい…
「どうぞ」
「ありがとうございます」
「飲みやすいけど度数あるからゆっくり飲んでくださいね」
「はい」
そして一口…
「これ…美味しいです!」
「朱夏さん…ほわほわ…可愛い…」
「…うん…可愛いね」
「でっしょー。可愛いんだよぉ…いつもかっこいいのに。そこに俺は惚れた」
「わかるよ。でも俺は君しかみてない」
「ふふ…知ってる…」
何かいちゃつき出した…まぁ…いっか…それから半分ほど飲んで御手洗いに立った。
用を足して出ようとしたとき難いのいい若い男の子が入ってきた。
こんな綺麗な子もいるんだなぁ…ぼんやりそう思ってそのまま出ようとしたらその子に腕を引かれた
「みーつけた」
「え?何?」
「ん?すっごく美人さんがいたから気になってた。ふふ…近くでみるとますますきれいだね。おにーさん」
「離してくれませんか?」
「やーだ。一緒にいたの彼氏でしょ?他の人と店出てったよ。酷いよねぇ?貴方みたいな綺麗な恋人いるのに」
「…は?」
出ていった?いつ?俺が席をたつの待ってたってこと?は?
「疑ってる?なら見せてあげるぅ」
そういって手を離さないままフロアに戻ると確かに先輩の姿はなく久米は良くわからないやつに捕まってて飛弦さんはテーブル席のお客さんに捕まってた
「ね?いないでしょ?」
「…そうだね。じゃあ俺も帰ろうかな」
「今は出ない方がいいんじゃないかなぁ?」
「は?」
よくわかんない…この人なんだろう…
「気になる?ちょっと出てみる?」
そう言うと飛弦さんのところへ向かってすこしして彼は戻ってきた。
「んじゃいこうか。お姫様」
「いや。連れに声を」
「大丈夫だって。おいで」
強引に引っ張られて外に出る。
地上に上がると先輩がいた…知らない男とキスしてる先輩。しかも結構すごいやつ…
「先輩…」
「ね?彼氏は浮気。じゃあ君も浮気しよ?」
酔いも回ってなんだかどうでも良くなってその腕をとった
「じゃあ。いこう」
「そうこなくちゃね」
そう言うとなぜかまた店に戻った。
戻るとカウンターに飛弦さんは戻ってて久米は知り合いでもいたのかテーブル席の方にいた
当たり前だけど先輩の姿はない
「ひーくん」
「どうした?」
「奥使うから」
「は?」
「じゃあねぇ!」
「おい。まて。その人…」
止めようと動いてくれた飛弦さん。けどタイミングがいいのか悪いのか他の客に捕まってしまう。そのまま奥の部屋にとおされた
「キスしよっか?彼がしてたみたいな濃厚なやつ」
「…いいよ」
そう言うと彼は一瞬目を見開いてふわりと笑う。
「可愛いね…俺に任せといて」
そう言われ目を閉じる。
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