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4:やっと
「やっといつも通りに戻るな」
呆れたように言うシャールの言葉に、ライタはクスクスと笑いながら頷く。最近はピリピリとした空気が漂っていたが、それも甘い空気に変わり。とにかく、落ち着いたのだ。ターリャがイリの本音を聞けたから。
「ったく。お前がイリに合わせて俺から離れるから、たまったもんじゃねーよ」
「ご、ごめんなさい」
そう。イリがターリャから離れていた間、ライタもシャールと距離を置いていたのだ。1人だけ幸せな想いをするのもどうかというライタの考えのせいで。そのおかげで、シャールもしばらくライタに触れるのを我慢しなければならなかったのだ。
淡白そうに見えるシャールだが、実を言うと好きになった相手には四六時中くっついていたくて。それなのに、ライタに触れられなかったのだ。
「ライタ。今日は激しくするからな」
「え?」
シャールに安心したように身を預けるライタを、勢いよくベッドに押し倒す。
ポカンと口を開けて見上げてくるライタの頬をそっと撫でて、触れるだけのキスを落とす。
たったその行為だけだったが、あまり慣れていないライタは一気に顔を赤くした。その姿がいとおしくて、もう1度シャールはキスを落とす。
「1週間分、思う存分抱かせろ」
「あ、の。分けてとか、は?」
「………無理だな」
1週間分抱かせろというシャールに、ライタは今日と明日とかで分けてと持ちかけてみた。が、シャールはそれをバッサリと切り捨てた。
「もう、ライタが足りねぇんだよ」
「ん、しゃーる、」
シャールが、我慢出来ないと言うようにライタの耳に舌を這わせる。くちゅりという水音が響いて、ライタはプルプルと身体を震わせた。
そんなライタの姿が可愛くて、シャールは耳を愛撫し続けた。舐めたり、吸ったり、軽く噛んだり。耳を愛撫され続けたライタは、それだけしかされていないがとろけていて。
「ふ、ぁっ。も、や、んっ」
「かわいい」
ライタの好きな低音でシャールが囁く。その声にもライタは感じてしまって。目の前の身体に、すがりついた。
「しゃーる、しゃーる」
「ん?何だよ、ライタ」
さっきからシャールは、ライタの耳にしか触れてこない。ライタが、何を求めているか気づいているのに。
だから、こうしてライタが名前を呼んでもニヤリと笑っているのだ。ライタからねだってくるのを待っている。
「もっ、さわって、」
ねだるのは恥ずかしいけど、身体中を駆け巡るこの熱をどうにかしたくて。ライタは、自分から服をめくりあげた。
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