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第6話
しばらく旦那の分身に咥内を弄られていたが、触手の束がずるりと引き抜かれる。
触手の先端と、俺の舌先に唾液の橋ができた。
「んぁ…」
ふぅふぅと息を大きく吸い込みつつ旦那の分身を撫でる。
指に小さく細い触手が巻き付いたのがいとおしくて頬を寄せた。
触手は俺の頬にそろりと触れる。
俺の唾液と元々の分泌物のせいか少し肌に触れたところがぺたぺたとしていた。
俺は起き上がると、柊さんが用意してくれたローブを脱いで下着だけになる。
「今日の旦那はいつもよりぷにぷにしててるのに小さくて可愛いなぁ」
俺は小さな旦那を胸に乗せると指先でつんつんとつつく。
肌に当たる無数の触手の感触にふふふと笑ってしまった。
俺はちょっとした悪戯を思い付いて旦那から手を離すと、両手で拳を作って胸を左右から押さえて寄せる。
胸には浅い谷間ができた。
「うわっ!ははは。本当に旦那は乳首好きだなぁ」
胸の谷間に挟まっていた旦那は何本か触手を伸ばして乳首を捕らえる。
根本にくるりと巻き付いた触手がぎゅっと乳首を締め上げた。
俺はついつい笑ってしまったけど、次の瞬間驚いて身体を硬直させてしまう。
1本の触手の先端が鋭利な針の様になっていたからだ。
「なにを…」
怖いという気持ちと、この先旦那にされる事を考えるとドキドキと心拍数が上がった様な気がする。
その鋭利な切っ先から目を離すことができない。
それをじっと見つめていると触手が乳首の先端にゆっくりと沈んでいくが、不思議と痛みは感じなかった。
引き抜かれた触手から目を離せないまま、もう片方の乳首にも鋭く尖った触手を刺される。
「えぁ…熱くなってき…た?」
触手が引き抜かれるのと同時に乳首を締め上げていた触手が緩む。
すると、急に乳首がじんじんと痛みを伴い燃えるような熱が襲ってきた。
痛みはやがてむず痒い様な、痛痒い様な刺激に代わり俺を苛む。
その痒みに思わず拳を広げて手を伸ばそうとしたところで、旦那に伸ばした手を叩かれた。
何故叩かれたのか分からず手をさ迷わせていると、別の触手の先端が乳首周辺の皮膚に貼り付ついて乳首を強調させる。
「はやく…旦那…はやくぅ」
別のぬるぬるとした触手の先端が割れると、そのまま俺の乳首を飲み込む様に覆い被さってきた。
内部は小さな突起の様なものが無数についているのか乳首をしごきあげる。
オナホール顔負けのしごき上げだ。
段々と自分でも腰がゆらゆらと揺れはじめたのが分かる程俺は旦那によって身体を高められていた。
「おあ゛っ!!」
ぢゅっぢゅと音を立てて乳首を吸い上げられ、一瞬目の前がホワイトアウトする。
米神に痺れを感じて自然と眉間に皺が入った。
俺が達したのに気が付いた旦那は、うねうねと動いて喜びを表す。
分身なので小さな塊の旦那は俺の胸全体に貼り付いて、手を離したせいで平になってしまった胸を持ち上げる様に下から押し上げる。
さ迷わせていた手はベッドのシーツを掴んで気をまぎらわせた。
「だ、旦那?」
胸を弄られれば弄られるほど、腹の奥が焼けるように疼く。
シーツから手を離して腹を擦る。
そのまま手を下ろしていき、下着の中に手を入れてペニスを触ろうかと思ったが腹の奥が熱くてたまらない。
その熱を冷ます為に指を後ろに伸ばす。
不思議な事に、そこからはぬるぬるとした分泌物が溢れていた。
ゆっくりと孔に指を埋め、ゆるゆると自分の気持ちのいい所を探しているとくちゅくちゅと水音があがる。
「んっ…旦那…ほ、ほしぃよぉ」
少しづつ指の動きを強くしていき、指も増やす。
はじめはくちゅくちゅという控えめな音だったのに、指の動きが激しくなるにつれてぐぽっぐぽっと空気を含んだ音に変わってきた。
俺は下着を脱いでベッドの下に放ると足を大きく開く。
下着は俺の分泌物で水分を含んで重くなっていて、床に落ちた瞬間べちゃっという音が聞こえた。
「だ、旦那っ!ごめん!」
俺は胸元に居る触手をむんずと掴んで、下腹部に押し付けた。
ぺニスには直接的なぬるぬるとした刺激が伝わってきて、腰が浮いてしまう。
旦那を掴んでそのまま腰を動かすと、ぐちょぐちょという音が部屋に響く。
「ひっ!ごめ…なぁっ!いっ、いっ!!」
腰を一心不乱に動かしていたら、太股辺りにチクリとした痛みを感じて我に返った。
怒っている訳ではないだろうが、旦那が太股に何か薬なのか毒なのかを投与したらしく旦那が不機嫌そうに太股をペチペチと細い触手で叩いてくる。
俺は上半身を起こして枕を引き寄せ背中に挟んだ。
太股を叩いたのは、旦那が入ってくる合図だったので俺は期待で小さな旦那の事を凝視してしまう。
旦那が入って来やすい様に尻の肉を拡げて待っていると孔の縁にぬるついた物が触れて肩が跳ねる。
「んっ。ああっ。」
旦那は細い触手を皮切りに、どんどん俺の中に入ってくる。
俺から旦那の姿が全く見えなくなる頃には、腹がうっすらと膨れている様にみえた。
腹の中で蠢いているのが皮膚が波打っている事で分かって、それを見て気持ち悪いなと思った瞬間吐き気が込み上げてくる。
強い吐き気に口を押さえて横を向いたが、不快感はどんどんせりあがってきてついに決壊した。
咳と共に吐き出した液体は胃液だったのか口に酸っぱい味が残る。
「ごめ…ごめんな…えっ?ひっ!い゛い゛い゛い゛い゛」
脳天を突き抜ける様な衝撃で思わず頭を抱えてしまった。
下半身が尋常じゃない位に震える。
身体を襲う衝撃から逃れるように背中を反らしたり身体を丸めたりと正にのたうち回るがそんな事では気が紛れる訳もない。
パチパチと目の前で火花のが散り、下半身からはパシャパシャと水の落ちる音がしている。
恐々音の先に目を向けるとペニスから透明な液体が飛び散ってベッドや自分の足を濡らしていた。
「う…そ。おれ漏らし…う゛っひぎゅっ!」
全く絶頂を迎えている自覚が無いせいで漏らしてしまったのかと焦る。
呆然としていると、腹の中で旦那が蠢くせいで胃が押されてまた吐き気がせりあがってきた。
何とか吐き気を我慢するために口許を押さえる。
それでも腹の中で蠢く不快感で身体が震えてしまう。
「ひぎっ!え…ちょっ!!まって!だん…まっ!!」
鈴口付近に違和感を感じて視線を再びそちらに向けると、細い触手がペニスに巻き付いており鈴口を狙っている。
手を伸ばし引き剥がそうとしたが、手を伸ばすのが一足遅く触手がペニスの中へ侵入してきた。
旦那に遠慮などあるはずも無く、触手の先端が膀胱まで届いて膀胱の中ですら弄ばれる。
脳天に突き抜ける刺激が強すぎて身体が勝手に痙攣しはじめた。
腰も浮いてヘコヘコと旦那を誘うように動いてしまうが、旦那はそれに答える様に前後から俺の気持ちいい所を狙ってくる。
「ぜ、せんりちゅせんっ…ちゅぶれう…旦那!精巣やめて…旦那のご飯作れなくなっちゃ…」
腹の中を前からも後ろからもぐちゃぐちゃにされて意味不明な言葉が漏れる。
旦那の主食は生物の体液だ。
番を決めると番の体液を主食とするらしいのだが、旦那は血液や唾液や涙なんかよりも俺の精液と腸液が好きらしい。
旦那曰く俺が気持ちよくなることで体液の精気が強くなって魔力を効率よく摂取できるらしい。
だからってこうやってペニスへ潜り込んで直接精液を摂取される様に啜られる事は無かった。
番が側に居ない時は他の生物の血液や肉を食べていると教えられたが、旦那としばらく離れていたから空腹だったのかもしれない。
しかし触手は飢餓にも強いらしく、数ヶ月食事をしなくても生きていけるらしいのだが旦那は今俺達が住む新居を建設しているので魔力も沢山要るのだろう。
今も本体が来られないから分身を俺に寄越したのだろうが、旦那に全身を包まれて居ないのか寂しく感じる。
「やっ…だ、旦那!」
腹の上から旦那を撫でると、ペニスに巻き付いていた触手をぐっと強く巻き付け尿道に刺さっている触手が波打つ。
目に見えて精液を搾取され、それを吸収している姿にドキドキと胸が高鳴る。
旦那が腹の中から俺が置い手に触れようとしてきたので腸壁が押され何度目か分からない絶頂を迎え身体が浮遊する様な感覚に包まれる。
尿道に刺さっている触手のお陰でベッドを汚す事はなかったが腰が動くのを止められない。
身体は勝手に反応しているが、そろそろ意識が朦朧としてきた。
目が霞んできたので目元を擦っていると旦那が心配そうに触手を伸ばしてきたが、下半身を攻め立てるのを止めてはくれない。
「大丈夫だよ…ひうっ!」
延ばしてきた触手を掴もうとした所で前立腺をぐっと押され、身体を反らせる。
もう下半身の感覚が無くなってしまっているので旦那から送り込まれる快楽を甘受しておくことしかできない。
胸からも何か腹の方へ液体が垂れていくのを感じるが、見てはいけない気がして目を隣の部屋へ繋がっている扉に向ける。
なにやらあちらからも甘い声が聞こえてきているが、逆に俺の声もあちらに聞こえて居たのかと思うと恥ずかしい。
身体の向きを変えてうつ伏せになって枕をぎゅっと抱き込むと旦那の動きが激しくなる。
後ろからも前からもひっきりなしに空気を含んだちゅぽちゅぽやらじゅぽじゅぽやら下品な水音がしていた。
音にも耳を犯されている気分になって枕に顔を埋める。
「はふっ。旦那…お腹いっぱいになった?ん?俺は平気だよ…うん愛してるよ」
やっと満足したのか旦那が俺の腹から這い出てきた。
俺を心配して胸まで這い上がってきた旦那が唇に触れる。
口の中に何かを放出して俺がそれを飲み込むのを見届けるとまた耳に入り込んできて“愛してる”と伝えてきてくれた。
俺は旦那の触手の一本を指に絡め小さな旦那に頬擦りしたところで遂に意識を飛ばしてしまったのだった。
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