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第12話

シャルル様がレナ様を愛していないのは仕方ない。 政略結婚なんて、どこにでもあることだ。 ただ…… もう少しだけでも、優しく接してあげて欲しい。 先程の発言はあまりにも酷かった。 発情期さえ迎えていないレナ様は14歳で、まだまだ子供だ。 そんなレナ様に、直接的ではないとはいえ、他の男とセックスしてこいだなんてよく言えたものだ。 レナ様は顔を真っ赤にして、目には涙を浮かべて去っていった。 「レナに付いている使用人……ミシェルだな。追いかけてやれ」 「かしこまりました」 ここで優しさを見せるくらいなら、あんな酷い言葉を初めから口に出すな。 レナ様は案の定、布団にくるまって泣いていた。 必死に泣き声を押し殺そうとしている吐息が、労しい。 小さかったレナ様によくしていたように背中を撫でていると、すやすやと寝始めた。 寝やすい体制に変えて、布団をかけてから、そっと部屋を出る。 そして、執務室にいるであろうシャルル様の元へ向かった。

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