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第14話

今日は朝からずっと、どきどきしている。 シャルル様が、昼食後に庭園の散歩でもしないかと誘ってくださったのだ。 正確にはミシェルから伝えられたのだけれど。 「ねぇ、ミシェル。どっちの方がいい?」 「どちらもお似合いですが……もうすぐ春ですし淡い水色の方ですかね」 「分かった、ありがとう」 こんな調子で、服からアクセサリーに至るまで、ほとんどミシェルに選んでもらっている。 微笑ましい、みたいな目で見られてて、なんだか恥ずかしいけど。 折角シャルル様に会えるんだから、ちゃんと可愛いって思ってほしい。 全て選び終わると、昼食をいつもの2倍くらいの速さで食べ終えた。 「では、待ち合わせておられる場所にご案内しますね」 「うん」 待ち合わせ場所は、ミモザの花畑にたたずむガゼボだ。 とても可愛らしい雰囲気で、気分もふわふわと浮上してくる。 「私はこれで」 「ありがとう」 ミシェルが去ってから数分後、シャルル様が姿を現した。 「すまない。待たせたな」 「いえ。楽しみで….…早く来てしまいました」 「俺も楽しみにしていた」 昨日、俺は食事の途中で逃げ出すなんて嫌な態度をとってしまった。 だから、気にしてくださっているのだろうか。 早く謝らなきゃ。

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