15 / 37

第15話

「あの!」「...レナ」 「は、はい?何ですか?」 シャルル様と被ってしまった...... な、なんか気まずい。 「あぁ、いや。お前が先に話せ」 「えっと......昨日は、食事を妨げてしまって......すみませんでした」 「......その事なんだが…俺が悪かった。言い方が酷かった。すまない」 「い、いえ!大丈夫、です」 シャルル様に謝らせてしまった…… でもそれだけ僕を気にかけてくださってるってことだから、嬉しい、かも。 それから、二人でゆっくりと庭園を歩いた。 「レナは花が好きなのか?」 「はい。花も、草も。植物全体が好きです」 久しぶりに触れる植物達に心が弾む。 「そうか。目が楽しそうだ」 「そ、そんなに見ないで下さい……。あの、シャルル様は植物が好きなんですか?」 「特になんとも思ってなかったが……たまに見るのも悪くは無いな」 「なら、また一緒にお散歩していただけますか?」 半歩前を歩くシャルル様の手をきゅっと握る。 すると、立ち止まってこちらを向いてくれた。 「俺とで、楽しめるか?」 「もちろんです。シャルル様は優しいから」 「その、優しいというのはなんだ。お前に優しくした覚えはないのだが」 さり気なく気を使える方だから、優しくしてるって実感がないのだろう。 シャルル様は、最初の印象だけだと冷たいけど、本当はとっても温かい。 「さっき謝っていただけましたし、それに、今も僕の歩調に合わせて下さってるでしょう?」 「そんな事でいいのか?」 「はい。そんな事が嬉しいです」 そう言ってシャルル様を見上げると、額を手で抑えため息をついている。 でも、そのため息は一昨日のとは色が違って。 その後に、僕の頭をぐしゃぐしゃと撫でてくれた。

ともだちにシェアしよう!