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閑話 ミシェルの親ごころ

「ふんふふーん♪」 今日のレナ様はご機嫌だ。 珍しく鼻歌まで。 昨日のデートが楽しかったのだろう。 デートといっても屋敷内だが、レナ様が喜べたなら良かった。 「ミシェル、僕の発情期っていつ来るの?」 「は、発情期、ですか……。確かにそろそろ来ても良い頃ですね」 シャルル様と仲良くなれたからといって、それは早すぎないか……? シャルル様とするのはもう少し大人になってからでも… 「メイドさん達が、発情期が来たら魅力的になるって言ってたから気になっちゃった」 魅力的……? 確かにαであるシャルル様にとっては魅力的だろうが、レナ様の思っているのとは違うというか。 「レナ様はシャルル様とのお子が欲しいのですか?」 「え?うん。お父様にも作れって言われてるし」 「子を宿すということはどういう事か分かっておられますよね?」 「分かってるよ。発情期にセックスしたらできるんでしょ?」 あっているが…… 恥じらいというものを、少しは持っていただきたい。 人と関わる機会が少なかったせいか、レナ様から抜けてる感情は結構あるように思う。 「まぁ、いいです。シャルル様には、発情期などの言葉を出さないように」 「なんで?」 淫乱だと思われるから…! シャルル様に、〔発情期が来たら、子供作りましょうね〕なんて言ったりしたら勘違いされる。 そんなこと言っても、初心なレナ様には伝わらないし。 「………。夫婦間の会話でそのような単語は妻からお出しになるべきではありませんから」 「へー」 「それと!発情期になったら…熱っぽかったりふらふらしたら、すぐに私に言ってくださいね」 「ふふっはーい」 「笑い事じゃないですよ?」 「なんか、ミシェルって過保護だから」 レナ様はしっかりしてるようで実は抜けているから、ついつい過保護になってしまうのだ。 そこらの親子よりもよっぽど長くいる分、レナ様の事は心配で心配で仕方がない。 まるで年頃の娘を持ったかのような自分の心情に、苦笑をもらした。

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