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第18話
始めて来たお城。
やっぱり、大きいし豪華だ。
訪れたのはシャルル様と執事さん、それにミシェルの4人。
失礼のないようにしないと。
ホールに入るとシャルル様達は皇帝陛下に呼ばれていたようで、ミシェルと二人きりになった。
今回のパーティは立食式で、程よく食べながらダンスをする割と軽いものだ。
僕はあまりダンスが好きではないから、壁際に立っていよう。
「レナ様、どうぞ」
「ありがとう」
グラスを受け取って口付けようとした時、透き通る声で名前が呼ばれた。
「ミーシェ」
ただし、僕のでは無くミシェルのだ。
ちらりとミシェルを見ると、額に手を当てていた。
「ラウール様……何か?」
「君が中々会いに来てくれないから、私から来てしまったよ。それにしても、様なんて悲しいね。私達は親友だろう?」
「私は今、ミシェルとしてではなく、レナ様の付き人としてきていますので」
「そう、レナ。レナにも会いたくてね。シャルルにお願いしたんだ」
「貴方がお願いしたら、それは命令になるでしょうが……」
なんだか、ミシェルが心做しか楽しそうだ。
あまり会いたくなさそうにしていたのに。
ラウール様も前にお会いした時より、ずっと笑顔だし。
本当に、どういう関係なんだ……
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