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第19話
「ねぇ、レナ。シャルルって意外とセックスに積極的なの?」
「はい?」
「ラウール様!そのようなはしたない言葉は…」
「はしたなくない。新しい命を創造する尊い行為でしょう?」
…シャルル様とは1度もセックスはしていない。
本来なら、結婚した日にするものなのにそれも無かったし。
「したことは、ありません。ですから、積極的かどうかはちょっと……」
「……シャルルって、勃たないんじゃない?」
え!?
どうしよう。
シャルル様にそんな不名誉なイメージを持って貰っては困る……
「ぼ、僕に魅力が無いだけだと思います…」
「いいや、シャルルはずっと純潔を守ってるんだよ、あの身体と顔で。側妻も持ってないし、皇宮でいくら声をかけられても無視してた」
確かに、普通シャルル様程の貴族なら、側妻の何人かはいるはずだ。
ほ、ほんとに勃たないの……?
シャルル様の他の人と子供を作ってこいっていうのは、そういうこと?
「はぁ……レナ様を揶揄うのはお辞め下さい。レナ様も、本気で悩まないで下さい」
「ふふ、ふふふふふっ。だって、この子かわいいんだもの。……レナ、大丈夫だよ。私はシャルルの朝勃ちを見たことがあるから」
「あさっ、だっ!?」
「でも、おかしいね。シャルルは君のことが好きで仕方ないって感じだったよ?とっくに、襲ってると思ってた」
好きで仕方ないって……
そんな事、ある訳ないのに。
気を使ってくれているのだろうか。
「もしかして、シャルル様は他の誰かがお好きなんじゃないでしょうか…?だから、その方以外とはされないとか」
自分で言っているのに、そうだったら嫌だなんて思ってる。
「んー、ふふ、いい事考えた。ねぇ、ミーシェは私の執務室の書類を片付けててくれない?」
「嫌です。私の主はレナ様ですし、確実に変なことを考えているでしょう?」
「レナ、ミーシェに頼んでいいよね?」
にこっと、天使みたいなお顔で尋ねてくるラウール様に、こくこくと頷く。
「レナ様!断ってください」
「主人にも王子にも頼まれたんだから、しっかりやって来てね。ほら、早く行って?」
ミシェルがじとっと見てきてるけど、ラウール様に反抗するのはちょっと出来ないし……
小さく、いってらっしゃいと手を振った。
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