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第28話

「レナ様、シャルル様。お食事の用意が整いました」 「あ、ありがとう、ミシェル。入って?」 「失礼します」 ミシェルがベッドの横のサイドテーブルに、夕食を二人分置いてくれた。 そして、そっと僕の耳に顔を近づける。 「がんばってくださいね」 小さい声で励まされる。 な、なにを頑張ればいいんだろう。 セックスの後だし、仲良くなるチャンスってこと…? ミシェルを見るとにこっと笑ってから、部屋を出ていった。 「ミシェルとは…仲がいいんだな」 「はい。生まれた時から、ずっと側にいるので」 「……そうか」 なんだか、複雑な顔をしてる。 シャルル様も、ミシェルが優秀だから欲しいのかな…… いくらシャルル様でも、それは嫌だな。 「そろそろ、食べようか」 ベッドの上で上半身を起こした状態で、背中に枕を当ててもらった。 これなら、安定して座れる。 いつも通りの会話のない食事。 でも、いつもより気にかけて下さってるのが伝わる。 何度も僕を見てくれるから。

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