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第30話

上機嫌でいるだろうとたかを括っていたレナ様は、落ち込んでいるような悩んでいるような顔で私を迎えた。 「......どうしたんです。シャルル様と共に食事が出来たはずでは?」 「そう、なんだけど。僕がシャルル様に嫌われてると思ってたって、言っちゃって」 まぁ、シャルル様の態度は完全にレナ様を嫌ってるものだったからな。 その失言も仕方ないとは思う。 ......やはり、私はレナ様に甘いのだろうか。 「それで、シャルル様はお怒りになられたのですか?」 「ううん、大丈夫って。でも、罪悪感とか、捕らわれず?とかおっしゃって、部屋を出ていかれた」 ......よく分からないが、それならレナ様に怒っているという事ではなさそうだ。 あまり気が進まないが、シャルル様ともう一度話をしてみようか。 今のシャルル様は、レナ様のことを気に入り始めているだろうから。 思い立ったら即行動というのは、時には必要なことだろう。 私は、早速シャルル様の執務室の前に立ち、扉を叩いた。 「ミシェルです。お話をしたいのですが」 「…...あぁ、分かった。入ってこい」 以前と同じように不機嫌な顔で迎えられると思ったが、今の彼の顔は先程のレナ様の表情に似ていた。

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