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第31話

「ミシェル、俺は冷たいか?」 「…。まぁ、そうですね」 何だろう 落ち込んでるみたいだ。 「愛情を示すというのは、どういうことか分からない」 確かにシャルル様が産まれた家では愛情を貰うのは難しいだろう。 幼い頃からの教育で、その地位を守り続けてきた家だから。 自分が得ていない愛を誰かに送るのは、難しい。 「それが、レナ様への罪悪感ですか?」 「?…あぁ、レナに聞いたのだな。それもあるが…… もっと昔から、レナを勝手に婚約者にしてしまったことに罪悪感があった」 罪悪感って… その事についてか。 「オーヴァルニ家の当主は、愛妻家で子煩悩なことで有名だろう?俺が選んだ事でレナをその環境から引き離してしまった」 シャルル様なりにちゃんとレナ様のことを考えていたのだろう。 その悩みは少しズレているが。 むしろ、婚約者になったことでレナ様はお父様に少しは気にかけて貰えるようになった。 まぁ、オーヴァルニ家は外面だけはいいから仕方ない。

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