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第20話 昼寝の時間

 数分間口づけを交わしていると安心感からか、疲れたからかアサは眠ってしまった。ブランケットを小さな体にかけ、頭を撫でると規則正しい寝息が聞こえてくる。サラサラ流れる髪、傷ひとつない肌、小さな肩、全てが無事で良かったと安堵感で心が満ちる。  「ニール、ちょっとよろしいですか」  「なんだ」  静かに扉を叩き現れたのは、ゴミの始末を頼んだショーンだった。  「ああ、アサは寝てしまったんですね。話があるので、少しここを出られますか?」  「なるべくアサといてやりたいんだ」  「分かっていますが、ここで話す内容でもないかと。理解できないかもしれませんが…」  「ゴミの話か?分かった。ケンをここに呼ぼう」  「ケンならもう扉の外で待っていますので」  「用意周到だな」  「ケン、入ってきていいですよ」  「アサああああああ!!!んぐぅ」  「うるさい!」  「静かに」  「わぁ、ごめん寝てると思わなかったの」  大きく開いた口を手で塞ぐと、小さな声で謝り速足でベッドへと向かっていく。  「僕も一緒に寝てればいいんだよね!」  「そんなことは頼んでねえな」  「え?!ダメなの?」  「お前は椅子にでも座っとけ。それは俺のベッドだ」  「えーーーー」  「本でも読まれていたらどうですか、ケン?」  ぷーと頬を膨らませながら椅子に座るケンの頭をショーンが撫でる。  「分かった。そうする。いいもん。あとでベッドに寝ちゃうもん」  「なんだって?」  「え?何でもないよ、早くいきなよ、じゃーねー!」  「だそうですよ、ニール。行きますか」  一番騒がしい奴にアサを託していいのか心配になりながら俺はショーンに続き部屋を出た。 . . .    「しっれーしまーすっ!」  「ン…?ケ、ケン?」  「うん!僕だよ!一緒にお昼寝だよ!」  「ン…?ニール?」  「ニールじゃないよ、ケンだよー!」  「ン、ウ…ン…」  「ねえねえ…」  ベッドに滑り込んだケンが黙っているはずもなく、昼寝に至ることはなかったらしい。

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