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第32話 戸惑いと快感

拒まないでほしいが、怖がらせたいわけじゃない。 「アサ、大丈夫、いい子だ。きれいだな」 俺自身なぜこんなことをこの子にしたいのか理解できていなく、快感に流され思うままに動いているのが現状だ。 自分よりはるかに年の若い少年に欲情するなんて、数カ月前の自分では考えられないことだった。 それでも、初めてアサと接吻をした日から、理解できない欲を感じ、意味の分からない独占欲に駆られ、胸の中で眠る小さな少年に欲情し、目が冴えてしまい浴室で己の熱を散らす夜が数え切れないほどあったのは事実だ。 「ァッ!二、ル…ンッンッ」 ズボンの前を寛げ、固くなったアサのモノを取り出すと下穿きはしっとりと濡れていた。鈴口に指を這わせると滑る感触に合わせ、アサの細い足がジタバタと動き始める。 片手にすっぽりと埋まってしまうソレを上下に扱いていくと、くぐもった喘ぎ声が聞こえてきた。 「ァ…アッ!ィ、ンン!」 「アサッ、気持ちいいな」 「…ン!フ、ン!ァ…ィッ…二…ル!」 快感を散らせるためにシーツを掴む手でさえ愛らしく俺を煽ってくる。直ぐにでも貫きたいという乱暴な衝動に駆られるが、可愛いアサを傷つけてまで自分の欲を果たしたいわけではなかった。 大切に思うからこそ、一緒に感じてほしい。初めての行為だろうから、トラウマになって欲しくない。 潤滑油がないと無理なことを今からしようとしていることは、興奮し正気でない自分にも分かることだった。 何かないだろうかとアサの腰から顔を上げると、先ほど市場で購入した香油の存在を思い出した。この地特産の花から作られた油らしい。小太りの青年が現地の言葉と俺たちの言葉を混ぜながら売ってきたこの油には、気分を和らげる効果があるらしい。 「このまま待ってろ、アサ」 「ァッ…ニール…?ナ、ニ…マ、ツ?」

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