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第34話 アサと逞しい手

「アサ…」 綺麗な小瓶を手に持ったニールは、大きな手で僕の目を覆い、温かい唇で僕の口を塞いだ。体中に感じる温度が頭の芯を痺れさせ、蕩けていきそう。 「ッ???」 いつの間にか脱がされていた下半身に、冷たさを感じ瞼を開くと、優しい瞳がこちらを見つめていた。 するりするりと僕の体にかけられた油の滑りに任せて、ニールの男らしい指が滑っていく。 太ももをゆっくりと撫でられただけなのに、自分の身体が今まで以上に興奮し火照っていく… 止まらない接吻にもう僕の頭は考えることをやめてしまい、身体と心が思うままにこの快感の波を楽しんでいた。 ニールがしてくれることなら、何だって嬉しいから。 「ンッ!」 僕のお腹や太ももを行き来していた大きな手が離れていき、不思議な喪失感にのまれたのも一瞬のことだった。 気が付けば僕自身がニールの手に包まれ律動する温もりに合わせ、息が上がり、腰が自然と動く。 「いい子だ、アサ」 耳元でつぶやかれたのは、大好きな声と大好きな言葉だった。 耳に吹きかけられる、ニールの吐息でさえ、気持ちよく感じて、ぐるぐると熱が身体を駆け回る。 与えられる快感に先端からぬるぬると流れ出る感覚と、それに合わせて動きが早くなるニールの手に僕はもう溺れるように息を吐き、逞しい体に手を回し、言葉にならない声を発していった。 僕が、ニールに伝えられる言葉は少なくて、できるのはきらきら輝く宝石のような瞳を見つめることだけ。 窓から漏れる光で色を変える鮮やかな眼は、いつもより勇ましい見え、僕の欲を煽っていくような、惚れ惚れしいものだった。 ――もう出ちゃう 初めての感覚ではない、自分でやったこともあるし、ニールの手で果てたことだって過去に1回あった。 それでも、生まれて初めて感じるような不思議な熱さが身体を駆け巡り、僕は戸惑いながら、気を散らそうと左右に頭を振った。 横に置かれた電灯の硝子細工が、頭を振るたびに輝き方を変える。 「アッ!ダ、メ……!」

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