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第182話 ニールの欲しがり
ああ、こういうのって視姦って言うのか?いや、少し違うか。アサが自慰をしているとこを見つめていたら視姦なのか?
こんなタイミングで、船仲間が教えてくれた性癖について思いだす。あの時は「は?見てるだけ?つまんねーな」とか返したが……アサと出会った今、見つめているだけでも十分美味しい思いをできる気がする。
「ゥ!?」
無言で太ももを撫でると、焦った顔でアサが俺の二の腕に触れる。拒否されなかった、と気をよくした俺はそのまま、中心を目指して内側を撫でていく。触れなくても、アサのズボンの膨れ具合から、どんな状態になっているのかは簡単に想像できた。手のひらで包んで扱いてしまうのも良いが、そのままではアサの衣服が汚れてしまう。
自分で言うのもなんだが、俺も野獣ではない。「ここでやめとけ」と止めにかかっている理性を無視しているのは事実だが、終わった後にアサが汚れたズボンを履いたままになるのも困る。
「マッテ、ニール!?」
「このままだと汚れるから」
だから俺がやってることは正論だ。と自分とアサに言い聞かせて、俺はアサのズボンの前を開いていった。片腕でアサの体を少しだけ持ち上げると、簡単にズボンを膝までずらし下ろせる。
裸の太ももと、染みがにじむ下穿きを履いたアサは、言葉を探すように口をパクパクと動かした。
「アサ、大丈夫だから」
何が、と自問自答したくなる言葉だが、アサの知っている言葉で落ち着かせたくて、最初に思いついたことを言い唇をもう一度合わせる。
これで拒否されたら、ここでやめようと心に決めた。落ち着いて考えれば、焦ってやらなくても良いことだし、船に戻ってからでもできる。
今じゃなくても良いことだが、腹の底についてしまった欲望の火はなかなか消えてくれそうにない。自分でも今やっていることは大人げないと理解できている。それでも、理性を忘れてしまった体が、嬉々としてアサの下着を下ろしていった。
「ウゥ……」
「アサ、お願いだから俺のほうを見てくれ。ほら、俺もこんなになってるから」
隠れるように顔を覆ったアサの両手を掴み、自分の中心へと誘導する。病院特有の長ズボンは、痛すぎるほど元気になっている俺自身を隠せていない。薄手の生地越しにアサの手のひらを感じただけで、たまりにたまった欲望が爆発しそうになる。
流石に触られただけで絶頂に達したら、俺のプライドがつぶれる。恋人の前ではいい顔をしていたいから、俺はぐっと腹に力を込めて快感が過ぎていくのを待った。
「……ニール、サワ、ル?ボク、エット……ココ?」
直接俺のモノに触れようと、アサがズボンの縁に指を掛ける。
顔を真っ赤にしながら、控えめな恋人がくれた提案だ。いつもの俺だったら、喜んで自分からズボンも下着も勢いよく脱いでいたはず。だが今日はちょっと違うことをお願いしてみよう、といつも以上の欲が湧いてしまった。
「アサ、俺のお願いを聞いてくれるか?」
「オネガイ、ナニ?」
俺に触れていたアサの手を優しく包み、剥き出しになったアサのモノへと導いた。
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