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第191話 ケンの恋バナ!?
「そうですよ、ケン。何て失礼なことを」
んもー!思ったことを口にしただけなのにミリさんがプンプンしだしちゃった!しかもしかも!ショーンもなんか怒ってない?!待って!なんで??僕なんかやらかしちゃった???
「わわわ、ミリさん怒らないでー!違うの!二人には絶対に切れない絆があるじゃない?それって何年も一緒にいて色々経験してきてるからあるものなんだよねって思って」
「年寄りだからね」
プイって顔を背けたミリさんはちょっとだけ早足になって前を進んでいく。子供の頃はいたずらしてたくさん怒られたけど、大きくなってから仕事以外のことでプンプンさせたことってないんじゃないかな。これはまずいぞ。ミリさんの機嫌を損ねちゃうと何がめんどくさいって、船長だよ。船長がこのこと知ったら「ケン、お前許さねー」とか言って大変なことになるんだよ!げんこつで済んだらいいけど……
ここは何とか機嫌を取り戻してもらわなきゃ!
「んもおおおお!拗ねないで!」
「ふふ」
「怒ってないの?」
肩を小刻みに揺らしてミリさんが笑いだした。それに合わせて、ショーンはやれやれって顔をしてる。何がどーなってるんだかよくわからないけど、ゲンコツは免れた感じ????
「ケンは?ケンは好きな人いないの?」
ん!?
予想外の質問が来て心臓がぴょんって飛び上がった気がした。親代わりであるミリさんの口からそんなことをきかれるなんてえええ!
そう言えば小さい頃も何度か聞かれたことあったな。そのたびに確か「せんちょー」とか「ミリさん」とか言うと2人が喜んでギュってしてくれたんだ。ああ、懐かしい。僕、子供の頃素直でいいこだったんだよね。
でも、ミリさんの今の質問はそういうことじゃないよね。ここで「船長」って答えたら変だし……いや、船長のことだって好きだけど、そういう好きじゃないしね。
「僕!?僕は……そういうのまだ早いかなって」
「あれ?顔真っ赤だね。なるほどなるほど、そう言うことか。ケンも成長してるってことだね。感慨深いな~あんなに小さかったケンがねえ」
ミリさんは、ふむふむ、とかわざとらしく言いながら僕を見つめ返してくる。
寄り道をして、買い食いをして、控えめに観光を(今回は観光しに来たわけじゃないらしいから、控えめにね!)してたから、結構歩いた気がするけど距離で言えばそこまで遠くには行っていない。それに今はぐるっと回って病院に戻っているところだし。
そろそろ船長が、船医候補の人と話を終えて戻ってきてるはずなんだって。あ、あと、もうそろそろニールも落ち着いたでしょう、とかショーンが呟いてた。落ち着くって、そんなに興奮してたのかなぁ?
「本当ですよね。あーんなに小さかったのに大人になってきてるってことですね」
「もう、ショーンまで!僕、もう大人だってば!!!それにそこまで小さくなかったし」
「それで、好きな人とやらは教えてくれないのですか?」
「んぁ!?!?む、むり!」
い、一番言えない人が僕のこと見てるよ~。なんでこんなことになっちゃったんだぁ!?
「もうこの話は終わりね!ほら、見て。病院についちゃったよ!」
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