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第200話 ミリの口に入るかな?

 床に脱ぎ捨てられたセブのズボンからベルトを取ると、シュルシュルと皮が布に擦れる音が響いた。それに合わせて、何を期待して何を妄想しているんだか、だらしない顔をした僕の恋人がゴクリと喉を鳴らす。 「ベッドに座って。僕の言うこと聞けなかったらお仕置きだからね」  大人しく座った(全裸の)セブの両腕をベルトで縛る。本当は背中の後ろで縛ると、見栄えがいいし、ムラムラ~ってくるんだけど、それだとセブが可愛そうだからね。そう、若くないんだよ、残念ながら。長時間後ろに腕を回してると肩が痛くなっちゃうの。  運動不足?  そうなのかもしれない。年を取ってきたってだけかもしれないけど。僕も例外なくね。お互い無理がない程度に、いつまでも楽しく仲良く色々やっていきたいじゃない?そのためにはお互いを労わらないと。 「ああ、もうこんなに大きくしちゃって、我慢できなかったんだ?」 「可愛すぎる恋人に煽られまくって、平常心でいられるわけないだろ?」 「まあ、これで勃ってなかったら僕も傷つくけどね」  んー全部口に入るかな。なんちゃって。  全部口に入れるより、まずは頭の部分を丁寧に舐めてあげたほうが、セブは喜ぶんだよね。  胡坐をかいて座った恋人の前で正座をして、ゆっくりと腹部に顔を近づけていくと期待しているのか硬くなった性器が揺れた気がした。 「あぁ、ミリ……」  いつもだったら、顔を覆う僕の長い前髪を片手で掬ってしっかりと握るのが癖なセブなのに。今はおなかの前で縛られた腕をパタパタと動かすことが精いっぱい見たい。これでも僕、船乗りだから。紐を結ぶのは得意なんだよね。頑張ったってそのベルトは取れないよ。 「ひもひい?」 「っ、気持ちいいよ、ミリ。このまま全部吸い取られてしまいそうだ」 「我慢できないの?」 「お前に咥えられてて我慢しろなんて無理な話だろう」 「そうかな。こうやって深くまで咥えたらどうだろ?」  快感を逃すかのように、セブが天井を仰ぐ。太くて硬い杭が、みっちりと僕の口の中を満たしてくれる。額や頬に張り付きだした自分の髪を、耳にかけて様子を伺うと、はぁ、とか熱い息を漏らしてセブが瞼をつぶった。 「セブの味がする」 「ミリ、頼むからこれ以上煽るな。もう爆発しそうで頭がおかしくなる」 「ふふ、船長さんの威厳がどっかに行っちゃったね。そうか、もう出ちゃいそうか」 「意地悪だな」 「いつものことだよ。好きでしょ?」 「好きだけど」 「じゃあ、早く僕の口に出して」  舐めて、扱いて、吸い取って。射精しそうなセブの追いつめ方は僕しか知らない。いや、僕以外が知ってたら困るんだけどね。こんなに大きくて頑丈で素直な性器の扱い方を知っているのは僕だけで十分。 「っ、ミリ。ミリ!」 「んぅっ」

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