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嫌われたッ!?~失恋~
「いいからさっさと出て行け!! 顔も見たくねぇっ!!」
龍サンに手を伸ばそうとしたら、龍サンはそのまま勢いよく立ち上がって部屋を出て行ってしまった。
「っつ!」
……龍サンに嫌われた。もう終わりだ。
ボク、これからどうしたらいいの?
「……っひ、ひっく」
龍サンに追い出されたボクは、泣きべそをかきながら夜を徘徊する。
そしたら、いつの間にかボクは、初めて龍サンと出会った河原へと知らず知らずのうちにやって来ていた。
ボク、これからどうしたらいいんだろう。
孤独になったボクはひとりぼっちだ。明日からの生き方も――人間の世界も――全部がわからない。
「君、こんな時分にここへ来るのは危険だよ?」
すっかり打ちのめされていた時だ。男の人がボクに話しかけてきた。
ここは街灯はあまりなくて、ちょっぴり暗くてわからないけど、年齢はたぶん龍サンと同じくらい。声は穏やかで、なんだか優しい人だって思った。
「家はどこ? ひとりなの?」
男の人はうずくまっている見ず知らずのボクに、丁寧な口調で訊ねてくれる。
大好きな人に追い出され、ひとりぼっちになってしまった今は、その優しさが辛い。
「家は……ない。龍サンに嫌われちゃった……出て行けって……」
涙がまた、ボクの目からボタボタとこぼれ落ちていく。
「君、龍さんって言った? もしかして三毛くん?」
「お兄サンはどうしてボクの名前を知ってるの? お兄サンはだれ?」
この人がまさか龍サンの知り合いだったなんて。ボクはびっくりして顔を上げた。
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