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嫌われたッ!?~戻るのヤだッ!~

「りゅうさん……」  呼んでも来てくれないことは知っている。それでも未練がましく好きな人の名前を口にした。  その時だ。 「三毛!」  龍サンの、声が聞こえたような気がしたんだ。  うずくまっていた顔を上げて見上げれば、そこには知っている人の姿があった。  龍サン? 「よかった……やっぱりここにいたか……」  どうしてここにいるの? 「その、すまなかったよ。すぐ頭に血が上るから……先代にも散々注意されていたってのにな……ほら、帰るぞ」 「ヤだっ! 戻るのやだ!! 龍サン、ボクのこと、嫌ってる」  龍サンがボクの腕を掴む。だけどボクはそれを振り払った。  痛い。胸が苦しいよ。  こんなことになるのなら、人間になりたいって神様にお願いするんじゃなかった。  龍サンの傍にいたいって思うんじゃなかった。  絶望に打ちのめされていると、龍サンはボクの肩を掴んできた。 「嫌いなら一緒にいない。俺は……その……お前を簡単に抱きたくないっていうか……お前を抱く代わりに居場所を与えるっていうことが嫌で……だから、その。俺はお前と同居していた他の奴らと一緒にされたくなかったっていうか……」  最後の方は小さな声だったから、龍サンが何を言ったのかわからない。  そもそも、龍サンって物事をはっきり言う人だ。こんなふうにブツブツ言ったりするのなんて、龍サンらしくない。  龍サン、ボクのこと嫌いじゃないって言った?  龍サンのひと言で胸のズキズキが消えた。

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