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優しい龍サン~お家~

 どうしてかな。  力強いその身体に服を着る龍サン。  それから棚の引き出しから緑色のビンを出した。  髪の毛に何かを塗って前髪を後ろに撫で下ろす。  その仕草がなんだか格好いい。  ドキってする。  どうしよう。  心臓がバクバク言ってるの。  ドキドキ、バクバク。  そんなボクを尻目に、龍サンは口を開いた。 「お前はーーそのままでいいか」  今、ボクが着ているのはお空のような青色のシャツとデニムっていうズボン。  これはもちろん龍サンの服だ。  だからちょっとサイズがダボダボ。  新しい服を買おうって言ってくれたんだけど、でもボク、このお空色が大好きなんだ。  それに、龍サンの匂いがするからずっと抱っこしてもらえてるみたいで気持ち好くってーー。  だから駄々をこねてこの服がいいってずっと言っていたんだ。  そしたら龍サンはやっぱり優しい。  この服をボクにくれたんだ。 「ほら、さっさと行くぞ」  どうして急にボクをお家に連れて行ってくれるのかはわからないけど、でも、今日も龍サンの側にいられるってことだよね?  ドキドキ、バクバクはまだしてる。  でも、いやな感じはしない。  龍サンとお家。  えへへ、嬉しいな。 **優しい龍サン・END**

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