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やって来ました龍サンのお家!~くるま~
◆
お日さまポカポカ、風がさわわってなって気持ちいい!
ボクは今、龍サンと一緒に四角い箱ーーじゃなかった。
真っ黒な車に乗っている。
はじめは真ん前の窓に流れる、ころころ変わって面白いなって見ていたんだけど、だんだん眠くなってきちゃって、うとうとしてしまう。
そんな中、龍サンは長四角のーー電話っていうものでお話していた。
「もしもし? 俺。今からそっちに戻るから」
たったそれだけ。
龍サンはぶっきらぼうに言うと、すぐに電話をポケットの中に仕舞った。
いったいどれくらい過ぎたのかな。
「おい、着いたぞ?」
ボクはいつの間にか眠っていたらしい。
頭を上下に揺らしてカクカクしていたら、龍サンに声をかけられた。
「ん~、ここ、どこ?」
まぶしい。
目を擦って周りを見渡せば、そこはたくさんの木にや草に囲まれた大きなお庭と、それから大きな一軒家があった。
草とか木がたくさんあるのが嬉しい。
ボクは急いで車から降りようとシートベルトを触る。
安全のためって言われて取り付けられたシートベルトがすんごく邪魔!!
「うう~っ!!」
はやくお外に出たい!
チョウチョさんや小鳥さん。それからいろんな虫さんを捕まえて、龍サンに見せるんだ!!
早く、早く!!
だけど……あれれ?
ぜんぜん取れない。
シートベルトと格闘していると、龍サンがお隣から手を出して、赤色のボタンを押してくれた。
そうしたら、スルスルッてシートベルトがボクを縛るのを止めた。
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