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やって来ました龍サンのお家!~みんな大好き龍サン~
「お前、本当に何も知らないんだな」
呆れたようにそう言う龍サン。
だけどね、お口がすごくにっこりしている。
すっごく優しい顔だ。
「えへへ」
だからボクも龍サンにつられて思いきりにっこりしてしまう。
「わ~い、龍サン。ありがとう」
ボクは龍サンにお礼を言った。
ーーんだけど、どうしてかな。
龍サン、お顔をあっちの方向に向けてしまった。
ボク、何かおかしなことを言ってしまったのかな。
ちょっと不安になっていると、龍サンは手元にあるボタンを押した。
「ほら、外に出たいんだろう?」
ドアは生きているのかな?
勝手に開いたよ?
目の前が車の狭いところじゃなくなって、さっきの不安なんかすぐにどこかに行ってしまった。
嬉しい!!
「うん!」
芝生の上にひょいって降りる。
そうしたらーー……。
「おかえりなさいませ、若」
「若! お久しぶりです」
そこにはたくさんの人たちがいた。
その人たちは、どうしたんだろう。
怪我してるのかな?
痛くないのかな。
ほっぺたやおでこに傷があったり、青い痣がある。
それに髪の毛もない、まん丸な頭の人もいる。
たくさんの人たちが一列になって、大きな一軒家のところまでお出迎えしていた。
……えっと?
よくわかんなくて首を傾げていると、龍サンもいつの間にか車から降りて、ボクの隣に立っていた。
たくさん挨拶されてお出迎え。
やっぱりみんな龍サン大好きなんだ!!
そう思うと嬉しくなる。
だってボクが好きな龍サンがみんなにも好かれているのはすごく素敵だもん!!
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