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キミがスキ!~龍サンに会えないッ!!~

 それでもめげずに通っていると、龍サンはぱったり川に来なくなった。  それでも何時かは来てくれるかもしれない。  もしかしたら風邪をひいちゃったのかもしれないし……。だからずっとずっと龍サンを待つ。 「おい、お前」  後ろから、ブンブンっていう大きな音が聞こえてきた。もしかして龍サンかな?  お風邪、なおったのかな?  期待に胸を膨らませて振り向けば……だけどボクが思っている人とは違う人間がいた。  見慣れない人間だ。  だれ? 「龍の男って噂、本当か?」  何を言っているのかわからない。だけど、なんだか龍サンたちのような感じはしなくて、威圧的で怖い。 「……っつ!!」  後退して逃げようとしたら、腕を掴まれ、地面に倒された。  バタンッ!  大きな音と一緒に身体には痛みが走った。 「いたっ!!」 「さすがは奴の男。なかなか可愛い顔してるじゃん?」 「やっちまう?」 「そうだな。日頃、龍には世話になってるし、此奴でシめてやろう」  なんだろう。わからないけどものすごく怖い。 「やだっ!! はなせっ!!」  大きな声を出して離すよう言っても、全然聞いてくれない。 「煩いな。おい、布か何か持ってないか? 此奴の煩い口を塞ぎたい」 「ないけど、塞いじゃうことはできるぜ?」  頭の上で、嫌な感じの笑い声が聞こえた。  目の前の人間が、ゴソゴソしている。 「なるほど、頭良いな、お前」 「だろう?」  足の間にある隙間から、太い何かを取り出した。  抵抗するボクの口に、ソレを入れられる。

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