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もしかして嫌われちゃった!?~好きなことと嫌なこと~

 ◆  その日から、ボクは龍サンと一緒にこの広くて大きな屋敷に住むことになった。  広い、とってもとってもと~っても広いお庭にはたくさんの木があって、芝生はふさふさで気持ち好い。  ボクはね、廊下に寝っ転がってお日さまの日差しを浴びるのがとても好きなんだ。  背中を丸めると、そこからお日さまが当たってぽかぽかするの。  懐かしいな……。  ボクが猫だった時の気持ちを思い出す。  ここは煩い車の音もしない。  どこからかやって来る風さんが木の葉を揺らして擦れ合う。  さわさわ、さわさわ。  その音がとても好き。  ここは昔あった、たくさんの好きを思い出す。  だけど、ここへ来てから良くないことも起こった。  それは龍サンのこと。  龍サン、箱みたいなあのお家の時はいつもボクと一緒にいてくれたのに、ここに来てからは『お仕事』とかいうものがあるらしくって、ボクに構ってくれなくなった。  一緒にいることがなくなっちゃったんだ。  ……ううん、それだけじゃない。  お布団も別々になったの。  前までは一緒だったのに、今は違う。  おんなじお部屋でもお布団……ふたつになっちゃった。  でもボクってば龍サン大好きなんだ。  一緒にいたいから龍サンのお布団に潜り込んだら、龍サンはボクのお布団があるからと、まだひと肌のあたたかい布団じゃない、ひんやり冷たいボク専用のお布団に戻されるんだ。  それにそれにね?  頭だって撫でてくれなくなったんだよ?  大きな手の平でいいこいいこされるの、すごく気持ち好かったのに……。

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