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もしかして嫌われちゃった!?-ぶっきらぼう-

 ボクが答えると、お爺ちゃんはまたしばらく何も言わなくなって、木片が置いてあるテーブルを見つめた。  会話はこれでおしまい。  そう思ったら、またふいに質問された。 「親御さんはどうしているね?」 「?」  親御さん?  ……ってなに? 「こんな世間から外れた場所に来て平気なのか? お前さんの家族は心配しないのか?」  親御さんの意味はわからなかったけど、家族って言われたから、きっとお父さんとお母さんのことだってわかった。 「家族は……死んじゃいました。ひとりぼっちで、頼る人もいなくて……」  そうして思い出すのは、ひとりぼっちになってしまったということだ。  神様にお願いして人間にしてもらったから、もう仲間もいない。  龍サンには嫌われたかもしれない。  ……ボク、どうしよう。ひとりぼっちになっちゃうのかな……。  そう思うと、さっき引っ込めた涙がまだじんわりと出てきてしまう。  お顔を真下に向けているとーー。 「すまなかったね。ここにいるのは皆、半端者ばかりだ。龍とはどういう仲かは知らんが、お前さんもゆっくりしていけばいい」  お爺ちゃんはぶっきらぼうな口調でそう言った。  それって、ここにいてもいいっていうこと、なのかな?  お爺ちゃんの声のトーンはなんだかとっても低くて怖い。  だけど、やっぱりこの人は龍サンのお爺ちゃんかもしれない。  言い方は突き放すように冷たいものだけど、でも話の内容はとても優しい。  まるで龍サンとお話しているみたいだ!  ボクは嬉しくなって、下に向けたお顔をお爺ちゃんに向けた。

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