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次の日~楽しい時間はあっという間に~

 お爺ちゃんよりずっと負けるけど、それでもボクなりに長く並べた木片。  指先でちょいって押したら……。  ひとつ、ふたつ、みっつ。  いっぱい倒れていく。  やった! パタタタできた! 「倒れていくねっ! すっごいすっごい!!」  ボクはその時、たしかに龍サンのことを考えることがなくお爺ちゃんと楽しくパタタタしていたんだ。  だけどそれはよくなかったみたい。  知らなかったんだ。  まさか龍サンがボクのことをそこまで嫌っているって……。  いつかはボクを怒るのも直るのかなってーー。  前みたいに頭をなでなでしてくれる日がきっと来るんじゃないかって思ってたんだ。  だけどそんな日は来ない。  それがわかったのは、それからもうちょっとパタタタをした後だった。  **次の日・完**

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