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嫉妬。~渦を巻く欲望~

 だから俺は三毛と二人きりになる危険性がある、俺の住処から半端者ばかりが集まるこの堅苦しい屋敷に戻ってきた。  この邪悪な独占欲を制御し、如いては三毛を守っていけるようにと……。  それなのに、もう我慢ができなくなっている。  三毛を抱きたいと思う願望が日に日に増しているのだ。  これではいけない。  そう思い、立ち寄ったバーで言い寄ってきた適当な女を連れてホテルに入ったもののーーいかんせん、俺の一物は反応しない。  俺の身体はすっかり三毛にしか反応しなくなってしまったんだ。  ……まったく、どうしてくれるんだ。  まさかこれほどまで三毛に溺れるなんて、出逢った当初は考えもしなかった。  こういう家系に生まれたからだろう。  皆、俺に喧嘩を売ってきたりヘコヘコ頭を下げて怯える奴らばかり。  いい加減うんざりする。  ーー三毛だけだった。  俺に喧嘩を売ってこなかったのも、媚びを売ってこなかったのもーー。  いや、三毛だけではない。  そういえば、あの子猫もそうだった。  うんざりする毎日を送っていたある日、俺は一匹の子猫と出逢ったんだ。  それは数ヶ月前。  車に跳ねられそうになった子猫を助けた。  その子猫は大きな目を潤ませ、こちらを見上げるあの表情がなんとも言えず可愛らしかった。  頬に擦り寄って、小さな声でにゃあにゃあと俺に甘えるあの姿がとても愛らしかったのを今でも覚えている。 「ーーーー」  あの子猫はいったい今頃どうしているのだろうか。  そういえば、あの子猫はどこか三毛に似ているかもしれない。

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