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嫉妬。~まさか祖父さんもそのクチか?~

 茶色い毛並みに甘えるような潤んだ大きい目。  俺を見る純粋なその視線。  あの子猫を助けたのは俺たちのたまり場だった。  そして三毛と出逢ったのもあのたまり場だ。  まさか……。  ふと有りもしないことを考えてしまう。 「馬鹿げている」  独りごち、そのまま縁側を歩いて行くとーー。 「すっごいすっごい!」  軽やかな青年の声が聞こえた。  三毛だ。  声は弾んでいて、何やらとても楽しそうだ。  三毛はどうやら祖父さんの部屋にいるらしい。  何事かと障子を覗けば、そこにはやはり、祖父さんとーーそれから三毛がいた。  祖父さんは何を思ったのか。  満面の笑みを浮かべて三毛を膝の上に座らせているではないか。  笑った顔など見たことがない。  況してや他人を自分の膝の上に乗せるなど言語道断だ。  それなのに、これはどういうことだ。  祖父さんはいい年こいて三毛の魅力に気が付いたのか?  三毛は俺が突き放したから、今度は祖父さんに言い寄ることにしたのか?  それで三毛は祖父さんのものになったのか?  たしかに、祖父さんは年はとっているものの、一般の老人よりもずっと若々しいし、威厳もあってなかなかハンサムだとも思う。  祖母さんにも愛想を尽かされた今は独り身だ。  それに裏社会を生きている祖父さんはこの世界で色々な性癖を持っている人間がいるのも知っている。

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