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嫉妬。~ひどいこと~

「三毛は俺の感情を知ったら逃げていく……」 「ボク、逃げないよ?」 「言い切れるか! 俺はお前にひどいことをしそうになるんだ」  三毛に告げると、三毛は首を振った。 「ひどいことなんて龍サンはしない」  三毛はおそらく、殴られるとでも解釈したのだろう。  すぐに答えた。  たしかに、三毛を殴ったりはしないさ。  だが、彼は知らない。 『ひどいこと』の中に壊れるほど抱きたいという項目があることをーー。 「だから言い切るな!」 「言い切れるよ! 龍サンは優しい!!」  三毛は尚も引き下がらない。  優しい?  俺が?  はっ、どこがだよ。  俺は三毛を自分のものにしたいと思っているんだぞ? 「お前は何も知らない! お前のここを、俺のもので貫いてどろどろにしたいと考えているんだ」  三毛が穿いているデニムのジッパーを下ろし、下着の上からそっと後ろの蕾を撫でた。  すると三毛の腰がビクンと跳ねたのを見逃さない。 「っ、いいよ? ボク、龍サンならいい」 「お前……本当に俺が言っている意味がわかっているのか?」  俺が訊ねると、三毛は大きく頷いてみせた。 「こういうことでしょう?」  片方の手が硬くなりつつある俺の一物に触れた。  ーーやめろ。触るな。  刺激されれば歯止めがきかなくなる。  以前、それで危うく三毛を奪いそうになったんだ。  俺と出会う前は春を売っていたらしい三毛。  もう抱かれることは慣れているかもしれないが、それでも他の奴らよりも優しくできる自信がない。

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