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痛いの痛いの飛んでけ。②

 このポンポンはボクが大好きだ。  苦しい時とか悲しい時にこうしてくれると苦しみも悲しみもすぐに忘れることができるんだ。  だから今の龍サンにもポンポンが効くかなって思った。  痛いの痛いの飛んでけ。  龍サンが苦しいのはイヤだモン。 「龍サン、大丈夫? 苦しいの?」 「俺の感情を知ったら、お前は逃げるだろう……?」  ポツン。  龍サンは苦しそうに答えた。 「?」  逃げる?  どうして? 「ボク、逃げないよ?」 「言い切れるか! 俺はお前にひどいことをしそうになるんだ」 「?」  ひどいこと? 「ひどいことなんて龍サンしないよ?」  龍サンはすごく優しい。  こうやっていつもボクを宥めてくれる。  頭ポンポンもすごく好き。  叩かれたことなんてないモン。  だからボクは胸を張ってすぐに答えた。 「だから言い切るな!」 「言い切れるよ! 龍サンは優しい!!」  ボクが言い切る。  だけど龍サンは首を振った。 「お前は何も知らない! お前のここを、俺のもので貫いてどろどろにしたいと考えているんだ」  ぎゅ。  ボクの足の間に龍サンの手が回る。  そっと後ろを撫でられた。 「ッツ!」  それは不意だったから、ボクの腰がビクンと跳ねた。 「っ、いいよ? ボク、龍サンならいい」  龍サンと一緒にいられるなら。  今なら、ボクの目的はそもそもこういうことだったかもしれないのだと思うから。 「お前……本当に俺が言っている意味がわかっているのか?」  龍サンが訊ねる。  コクン。  ボクは大きく頷いてみせた。  えっと、えっと……。  龍サンの言っている意味ってきっと。 「こういうことでしょう?」  今度はボクが動く番。  ボクは手を伸ばして龍サンに触れた。 「三毛!」  そしたらね、龍サンがびっくりしてた。  慌てた様子でボクを見下ろしている。  なんだか面白い。  だっていつもはボクが慌てるばっかりなのに、今は龍サンが慌ててるんだモン。 「ボク、龍サンと後尾するのいいよ?」 「こうびっ!?」  龍サンの声がひっくり返る。  あれ? 「違うの?」  龍サンはこういう意味じゃなかったのかなぁ?  ボクは小首を傾げた。

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