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やがて日が沈み、洞穴へと案内される。
奥にある部屋は三つ。その内の一つに通される。
「……おい、倫太郎。どうすんだよ」
葉を寄せ集めて作られた寝床。
そこに胡座をかいた啓介が、口火を切った。
「奴らをこの島から追い出すか?……それとも全員……」
「……啓介。俺は彼等と共存したいと思ってる」
倫太郎が静かに言う。
「はぁ?! 何言ってんだ!
あんな薄気味悪い奴らと一緒に、この人間様が一緒に暮らそうって言うのか!?」
「……うん、そうだよ」
飄々とした倫太郎の返事に、啓介はチッと舌打ちする。
「だからお前は駄目なんだ!
αの癖に、そんな生温い考えでどうするんだよ!」
「………ごめん、啓介」
その言い方は、折れてくれという意思表示だ。
「──黙れ!
俺に内緒で、あの強かな女と結婚してガキまで拵えやがって!
……お前はまだ、俺が傍にいなきゃ何にも出来ねぇ、クソガキなんだよ!」
……また、始まった……
二人のこれは、いつもの事だ。
喧嘩の様に聞こえるが、啓介の言葉の端々から、倫太郎への想いが溢れているのを、僕は感じずにはいられなかった。
「……別に、後ろめたい事なんかしてないよ」
「おま、……ふざけんなっ!」
「彼女は、暴漢αに噛み逃げされて。余りに不憫だったから、俺が………」
「………!」
「……」
疲れのせいか。瞼が重くなるにつれ、二人の声が遠くなり……
次第に、聞こえなくなっていった。
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