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第52話 居場所 Ⅲ
このまま ゆうごとずっと 一緒にいられるの…⁇
今さっき固めた筈の覚悟は もうその姿は無くなってしまい、図々しくなってしまった僕は ゆうごに強く抱き着いていた
「あの 本人も行かなきゃ駄目ですか⁇」
しかも ゆうごは、僕が行かなくても良いようにしようとしてくれているみたいで、どうしてこんなに僕の気持ちが分かるのか、それが不思議で堪らなかった
「ああ… コレですか…」
ゆうごの手が 僕の襟足を掛け分けた
どうやら 僕の首に付いてる物の話をしているらしい
「直ぐに返却してっていうのは 駄目ですよね…⁇
分かりました では 後ほど」
電話を切ったゆうごは 僕を抱き上げると、ソファの方に向かい、そのまま膝の上に僕を降ろしてくれた
「創 今日 この後、彼処に行って 手続きしなくちゃいけないんだ
本当は 創は行かなくても良いようにしたかったんだけど、コレ外すのに 鍵と暗証番号が必要らしくて…大丈夫か⁇」
今朝の夢が 頭を過ぎり 自分の手を強く握り締めた
彼処に行く事を考えるだけで 目の前がグラグラする
「…うん」
そんな僕の手を開くと ゆうごの手が優しく重なった
指同士が絡みあって 昨日も同じ事をした筈なのに、何だかすごく恥ずかしかった
「向こう着いたら 俺の手離すなよ⁇」
「…うん‼︎」
僕はゆうごに体を寄せると、間にある手を ジッと見つめた
僕の目には その手の周りには、魔法がかかっているかの様に キラキラと輝いて見えた
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