「ああ 悪い 助かる」 着替えた後 ゆうごはまた誰かに電話をしている 僕はといえば 目の前のご飯が 中々喉を通らなくて、お箸を握り締めるばっかりだった 「創⁇ 無理して食べなくて良いからな⁇」 電話を終えたゆうごは 僕の頭をぽんぽんと撫でてくれた 折角ゆうごが作ってくれたから食べたいのに、これから彼処に行くんだと思うと、どうしても口に物を運ぶ事が出来なかった 「…ごめんなさい」 「大丈夫 緊張するよな⁇ 飯なんて 帰って来てから食べても良いんだし」 ゆうごは 何の気なしに言った言葉かもしれないけど、帰って来てからという言葉が 凄く嬉しくて、心の真ん中に火が灯る様な感覚がした 「そうする…」 「ん じゃあ行くか」 ゆうごが差し出してくれた手を ギュッと握り、その手に引かれながら 七日間過ごした部屋を出た また此処に戻って来られる事を 祈りながら