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第54話 初対面
マンションの下に着くと 黒い車が止まっていて、その前には スラッとした男の人が立っていた
「悪いな 佐倉 大丈夫だったか⁇」
「はい 何も問題ありません」
綺麗に笑うその人は 僕と目が合うと 会釈をしてくれて、僕もあたふたしながら頭を下げると、ゆうごの手が 僕の背中に触れた
「この方が 昨日お話されていた⁇」
「ああ 創っていうんだ」
ゆうごに紹介されて 緊張で固まっている僕に、その人は 柔らかい笑顔を向けてくれた
「初めまして 佐倉 真也です
佑吾様のお仕事のサポートや運転手をさせて頂いております
以後 お見知りおきを」
「あ‼︎ は はい‼︎ こちらこそ…よろしくお願いします…」
何とかそう答えると 後ろ側のドアを開けてくれて、ゆうごに促されるまま乗り込んだ
「悪い 先に 銀行行きたいんだ」
「かしこまりました」
走り出した車は 僕が今まで乗った車の中で、一番乗り心地が良かった
心地良い揺れを感じながら、運転ってその人の性格がとても良く表れるんだなって、そんな事を思っていた
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