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第62話 昂揚
「創 さっきの食べる⁇」
「うん…あ、でもコッチ先食べても良い⁇」
家を出る前に作ってくれていたご飯を指差すと、ゆうごは笑顔で それを温めてくれた
「…いただきます」
「ん 他にも何か作る⁇」
そう聞かれて時計を見ると もう直ぐ17時になる所だった
でも そんなに沢山は食べられそうになかった為 首を横に振ると、ゆうごは僕の頭をくしゃっと撫でてくれた
「分かった、俺も 軽く何か食べようかな」
そう言ってゆうごは 僕の隣に座った
お互い食事をしながらの他愛ない会話の途中で、ゆうごがクスリと笑った為 僕の首は斜めに傾いていた
「創、口 ご飯付いてるよ⁇」
「え⁇」
どこに付いているのか分からなくて 僕が口を擦ると、ゆうごが指で右側の口元を拭い その指をペロッと舐めた
「ん 取れた」
「////‼︎」
顔から火が出るかと思う程恥ずかいのと、あの人にあんな事を言われたのに、今まで以上に優しいゆうごが すごく嬉しくて、表現し難い感情に襲われていた
ご飯が食べ終わってからも ソファの上で僕を後ろから抱き締めながら、いっぱいキスしてくれた
お陰で テレビは点いていたのに、内容は殆ど覚えてない
キスが段々エッチな感じになってきて、昨日と同じ場所に体が倒された
その先を期待して目を閉じた時、何故か今日の出来事を思い出してしまい、咄嗟にゆうごの胸に手を当てて 突っぱねてしまった
「…創⁇」
「あ‼︎ あの…」
どうしよう 何か言わなきゃ…
拒否したと思われたら嫌だ…
「…あ……お…お風呂…入っても良い…⁇」
言った後に恥ずかしくなってしまい、顔が赤くなっているのが 自分でも分かった
だって…何だか自分から、そういう事を強請ったみたい…
「…ん…お湯溜めるから ゆっくり入っておいで⁇」
「…うん…ありがとう…」
ゆうごは僕の額にキスをすると、ソファから降りて 準備しに行ってくれた
僕はというと、ドアが閉まった後 顔を手で覆い、大きく息を吐いていた
僕 この後 ゆうごと番になるのかな…⁇
「…はぁ」
溜息が勝手に口から流れ出す
それは期待とか不安とか恥ずかしさとか、色んな感情が 僕の中で渦巻いていて、ぐるぐるぐるぐる頭の中を駆け巡っていた
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