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第63話 昂揚 Ⅱ〜side佑吾〜
脱衣所のドアを閉めると ズルズルとその場に座り込んだ
俺 がっつき過ぎた⁇ 引かれてる⁇
拒否された様で地味にショックだったが、創はそんな子じゃないと 自分で自分に言い聞かせていた
浴槽を掃除して 蛇口から出るお湯をボーッと眺めながら、興奮してしまった下半身に 落ち着く様呼びかけた
よし と思いリビングのドアを開けた瞬間、創はビクッと肩を震わせて 俺の方を振り返った
明らかに戸惑っているその様子に、笑顔を作るのが若干遅れてしまった自覚がある
「お待たせ もう入れるよ」
「…うん…じゃあ…行って来ます」
創はサッと俺の横を通り抜けると、足早にドアの向こうに行ってしまった
「あー…」
ドカッとソファに腰を降ろすと 大きく溜息を吐いた
俺 ギラギラしてたかな…
あんな奴に嫉妬したとか…みっともない…
創が風呂から上がってきた時の反応を想像すると、若干怖い気持ちもある
「…よし」
取り敢えず創が戻って来たら 普通にテレビ観たり、今後の話をしたり そういう事をしよう
それで 何となく良い感じになったら…
「…ダメだな 俺」
結局 そっちに考えがいってしまう自分を殴りたくなった
俺 こんなに余裕無い奴だったのか…
ふと窓に映った自分が見えて、こんな顔 とてもじゃないけど、会社の皆には見せれないな…
なんてそんな事を思った
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