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第88話 恢復 Ⅱ

『佑吾⁇』 「ただいま 開けられそう⁇」 折角覚えてもらったし 試しにと思い、マンションの下で インターホンを押すと ちゃんと扉が開いた エレベーターから降りると、創がドアを開けて ひょっこり顔を出した その仕草が可愛くて 思わず頬が緩む 「お帰りなさい」 満面の笑みを浮かべる創を 玄関先で抱き締めると、創も俺の背中に手を回してくれて 自然と腕に力が入る 「…佑吾⁇」 創が顔を上げるのと同時に キスをした 腰に腕を回して 身体を軽く引き上げると、スリッパの落ちる音が 廊下に響き渡った 「…あ」 とろんとした表情に 押し倒したい衝動をグッと堪え、何とか笑顔を作った 「いきなりゴメン ご飯食べよっか⁇」 「…うん」 創の白い頬が 紅く染まるのは、何とも言えない色っぽさがある 取り敢えず今日、創が もう嫌だって言うまで抱き尽くす事が 今決定した

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