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第97話 拐引
「…う」
頭が ボーッとする
体が重くて立ち上がれない
何とか目を凝らして辺りを見回すと、見覚えのある部屋の内装に心臓が ドクンと脈打つ音が聞こえた
「…え⁇」
何で⁇
ここは…あの人の…
「…や…ゆ…佑吾…」
咄嗟に出たのは 佑吾の名前
しかし当然ながら返事は無く、どんどん頭が混乱していく
腕を動かそうとしたら 後ろ手で縛られている事に気が付いて、嫌な汗が 背中や額を伝って落ちた
「…ぼ…僕…」
最後に覚えているのは ドアを開けた瞬間に、何かを口元に当てられた事
その後からの記憶は 一切無かった
「あ‼︎ そ〜くん起きた‼︎
薬少な目にして 正解だったな♡」
現れた人を見て 体が勝手にガクガクと震えた
ふと下を見ると 裸なことに気が付き、咄嗟に体を捩った
「そ〜くん もう発情期終わっちゃったよね⁇
あ〜あ… 三カ月に 一回の俺の楽しみが…」
ぶつぶつと呟きながら 脚を左右に大きく広げられて「嫌だ‼︎」と大声を出してしまった
しまったと思い恐る恐る顔を上げると、不機嫌オーラ全開で 僕を見下ろしていた
「そ〜くん 何か調子乗ってない⁇
ご主人様に対して 嫌とか言って良いんだっけ⁇」
彼はふらりと立ち上がると ハサミを持って戻って来た
「ねぇ 桃坂 佑吾だって、その可愛いお顔が 好きなんでしょ⁇
傷だらけになったらさ、もう見向きされないんじゃない⁇」
そう言って 勢い良くハサミが振り下ろされ、咄嗟に顔を横に背けた
頬にチリッとした痛みが走り、髪の毛が パラパラと床に落ちていく
「な〜んちゃって♡
そ〜くんの唯一の取り柄 台無しにする訳ないじゃん」
にやにやと笑いながら、頬に出来たであろう傷を舐められて 鳥肌が立った
気持ち悪い…
「そ〜くんの体って本当綺麗だよね…
白とピンクで…」
うっとりした目つきで見下ろされながら、ハサミで体をなぞられて 恐くて恐くて 涙が溢れた
冷たい金属が 鎖骨からゆっくりと下降していき、一番敏感な部分を 何度も擦られて グッと息を飲み込んだ
「ぴくぴくしちゃって…可愛い♡」
そのまま先端で 後ろの穴をツンツンと刺激され、恐怖から しゃくり上げてしまった
「やっぱ発情期じゃないと 駄目だね…まっ いっか」
やっとハサミが体から離れたかと思うと、下半身にどろりとした液体を垂らされて 冷たさに身を縮こませた
「じゃ 取り敢えず 一発ヤラせて♡」
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