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第99話 捜索
「ん⁇」
デスクの上に置いてあった携帯が震え、ディスプレイに表示された 物井 秀介の名前に 何となく胸騒ぎがして 急いで通話ボタンを押した
「もしもし⁇」
『あ 桃⁇ 今仕事中か⁇』
「そうだけど…何かあったのか⁇」
『いや 何回呼出押しても 創君出ないから、もしかして お前と出掛けてるのかと思ったんだけど…』
「え⁇」
創が居ない⁇
今朝の様子を思い出しても 何処かに行ってしまう様な素振りなんて微塵も無くて、居ても立ってもいられなった俺は 急いで部屋を飛び出した
「佑吾様⁉︎ 如何されましたか⁇」
ドアを開けた瞬間 戻って来た佐倉とぶつかりそうになってしまい、慌てて謝った
「佐倉‼︎ 悪い‼︎ 創がいなくなったみたいで…俺 一回 家に…」
そこまで言うと 佐倉は俺を落ち着かせるかの様に 腕を摩ってくれた
「かしこまりました 私は午後の調整を致します
終わったら直ぐに向かいますので、取り敢えず タクシーをお呼びしてよろしいですか⁇」
いつもと変わらない口調が、俺を冷静にさせてくれて 小さく何度か頷いた
「…ああ…いつも悪い」
俺がそう言うと 佐倉はニコッと笑いかけてくれた
「とんでもございません
創様も きっと直ぐ見つかります」
「…ああ」
佐倉は 直ぐにタクシーの手配をしてくれて、俺はそれに乗り込むと 自宅へと向かった
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