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第101話 搜索 Ⅲ〜side物井〜

「どうしてですか⁉︎」 「いや ですから、監視カメラの映像は 簡単にお見せする事は 出来ないんですよ」 こんなに切羽詰まった桃を見るのは初めてで 俺もかなり動揺してしまっていたが、管理人室で 今にも食ってかかりそうな桃の肩を何とか押さえつけた 「今 うるさいでしょう⁇ 個人情報とか… 警察などからの要請がない限り お見せ出来ないんです」 「…分かりました では警察の令状があれば良いんですね⁇」 そう言うと桃は携帯を取り出し、何処かに電話をしている 「ご無沙汰しております 桃坂です すみません、ちょっと頼みたい事があるのですが…」 そう言って管理人の方にチラリと視線を向ける顔は、普段からは想像がつかない位冷たいもので 隣にいた俺まで 背筋が震える程だった 「実は 私と一緒に住んでいた者が 本日突然居なくなってしまいまして、でも靴は全て家に残っているんです ええ…ですから マンションの防犯カメラを見せて欲しいと頼んでいるのですが、生憎令状が無いと難しいと言われてしまいまして…何とかお願い出来ませんか⁇」 話の内容から察するに 相手は警察関係者 まぁ…桃程の地位があれば、その手のアテなんて幾らでもあるだろう 我が友人ながら 流石だ 「ありがとうございます、ではよろしくお願いします」 電話を切った桃は ニコリと笑顔を見せたが、それはいつもと全く種類の違うモノだった 「今 警察の方が見えます これで宜しいでしょうか⁇」 「え…あ…は…はい…」 管理人は冷や汗が止まらないといった様子だ だが 無理も無いと思う 何故なら 今の桃は誰しもがひれ伏したくなる様なαのオーラを、これでもかとばかりに放っていたから

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