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第105話 救済
「…あ…う…」
どれ位時間が 経ったんだろう…
無機質な機械音だけが 部屋に響き渡っていて、単調な動作に 何度も絶頂を迎えさせられていた
でも精液を出す事は出来なくて、ただただ 苦しい時間が続いている
僕を攫ったあの人は 運動したら疲れたと言って 大きなベッドでずっと寝ている
僕は床に転がりながら 佑吾の事ばかり思い描いていた
「…っ…ふ…」
なるべく声を出さない様に泣いた
佑吾と過ごした日々が あまりにもキラキラと眩しくて 幸せ過ぎて、夢でも見ていたんじゃないかと思ってしまう
それくらい 現状が絶望的過ぎて 心がえぐられる様に痛んだ
「…う…っ…く…」
また体が ビクビクと震える
僕がイこうが 変わらず機械は動き続けていて、休む暇を与えてはもらえなかった
「…ゆ…ご…」
ピンポーンとチャイムが鳴ったのは、そう僕が呟いた直後だった
ぼんやりする頭で それを聞いていたが、何回も繰り返し鳴り続ける音に ベッドにいた人が 苛立った様な声を上げて起き上がった
「うるっせぇな‼︎ 誰だよ⁉︎」
ドスドスと音を立てながら 僕の横を通過して行くと、ボタンを殴る様な勢いで押し「何回も鳴らすじゃねえ‼︎ 迷惑なんだよ‼︎」と 相手を怒鳴りつけている
『おい』
聴こえてきた声に 俯いていた顔を上げた
僕の妄想が現実になったのが 信じられなくて、動かせない体で 必死で前に行こうとした
「…ゲ」
『創を返せ』
佑吾‼︎
声を上げようとした瞬間 近くに置いてあったハサミを手に持ち、男の人は 僕を睨みつけてきた
手を振りかざす動作に 先程の恐怖が蘇えってきて 膝からガクガクと震えた
「は⁇ 何の事⁇ ていうか創って誰⁇ 俺何も知らないけど」
『嘘つくな‼︎』
「知らないもんは知らねぇよ」
そう言って またボタンに手を伸ばそうとしているのが見えた
佑吾が あの向こうにいる
声を出したら 殺されるかもしれない
でも 佑吾の所に帰れないなら、そんなの死んでるのと 一緒だと思った
だから
「ゆ…佑吾ーーーー‼︎」
「こ このガキ‼︎」
今出せる精一杯の声を振り絞ると、男の人は ガンッと壁を叩き 僕の方に向かって来た
髪を引っ張り上げられ その痛みにまた涙が滲む
ズルズルと引きずられ、何処かに僕を隠そうとしているんだと思った
手足を拘束されている僕は 重心を下にかける事しか抵抗は出来なかったけど、それが この人には とても苛々する行為だった様だ
「テメェ…いい加減にしろ‼︎」
そう言って 手が振りかざされた時だった
ドアが ガンガンと凄まじい音を響かせたのは
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