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第7話 昏迷Ⅲ

出されたマグカップを両手で抱えながら、ジッと中の液体を見つめていた 以前 発情期じゃない時に出された食べ物や飲み物に変な薬を入れられて、無理矢理あの状態にさせられた事があった その記憶が蘇ってきて、口をつけるのは かなり躊躇いがあった でも 飲まなかったら それはそれで怒られそうでマグカップを持つ手にばかり力が入る ずっと悩んでいたら、いつの間にか結構な時間が経ってしまったらしく、ガチャリと開いたドアに ビクッと体が跳ねた 「あれ⁇ コーヒー嫌いだったか⁇」 「…あ」 髪を拭きながら 僕に近付いてくる どうしよう…怒られる… そう思った瞬間 また予想外の事を言われた 「ごめんな 明日違うやつ買ってくる」 「え…あの…」 僕が反応に困っていると 彼は濡れている僕の髪に触れた 「風邪引くといけないから乾かさないと こっちおいで⁇」 手招きされて 後を着いて行くと、先程の洗面所で ドライヤーを片手に持ち、彼は僕の真後ろに立った 「熱かったら言えよ⁇」 「…はい」 撫でる様に乾かされて 少し擽ったい でもその大きな手は 今まで僕に触ってきた人達とは、違う物の様に感じた

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