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第8話 昏迷Ⅳ
「よし 大丈夫かな」
満足そうに僕の頭を撫でる彼の手は気持ち良くて、何だか胸の辺りが 温かい様な気がした
でもこの後の事を想像すると 足がすくんで動けなかった
彼は 大きな黒いソファに腰掛けると、不思議そうに 僕の方を見た
「どうした⁇ こっちおいで⁇」
座っている相手に コッチに来いと言われた時、僕がやる事は 決まっている
ゴクリと唾を飲み込むと 静かに深呼吸を繰り返した
そして 彼の側に歩み寄ると 足元にぺたんと座り込んだ
「…し 失礼します」
そう言っていつもの様に 僕は彼の下半身に手を伸ばした
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