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第12話 深慮 Ⅱ〜side創〜

ゆうごが居なくなった部屋は、すごく広く感じて 一気に心細くなった 頭を左右に振ると 昨日のソファに座り、きょろきょろと辺りを見回した 綺麗でシンプルな部屋 目の前には ソファと同じ 黒いテーブルと大きな壁掛けテレビ 後ろには さっきまで寝ていたベッド ここからも見えるキッチンの前には、背の高い椅子が二脚置いてあって、その前にある小さなテーブルには ご飯が置いてあった 僕はそれに近寄ると 自分の口元を手で覆った ゆうごはきっと 変な物は入れてない ちゃんとそう思えるのに 人が作った物だと思うと、体が拒否反応を起こしてしまい 激しい嘔吐感に襲われた 「…ごめんなさい」 その場に居ない人への無駄な謝罪の言葉を述べると、僕はその場で 蹲ってしまった

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