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第18話 人心地

電気を消すと 部屋の隅にオレンジの燈が灯って 、ゆうごの顔が ちゃんと見えてる事に スゴく安心した 頭を撫でてくれたり、背中をポンポンとリズミカルに叩いてくれたりして、久しぶりの満腹感と相まって 瞼が重い 「創 俺明日休みだから どっか行こっか」 「…え⁇」 出掛けると聞いて 眠たかった頭が 一気に冴えて、脳内にこびり付いている記憶が 鮮明に蘇ってきた 『そ〜くん♡ お出掛けの時間ですよ〜♡』 三ヶ月に一度の発情期のタイミングで、必ず僕を買う人がいる その人は 僕に女の子の服を着せ、お尻にオモチャを挿れて 外を連れ回すのが好きだ 時折ソレが振動するのがスゴく辛くて 止めて欲しくて、僕は 一生懸命その人の機嫌を取る そんな僕を見て、その人は とても楽しそうに笑っていた 「…創⁇」 ハッとなって目の前を見ると、ゆうごが心配そうに 僕の顔を覗き込んでいた 「…あ」 何か言わなきゃと思うのに また言葉に詰まる 余計な事を言うと怒られるという考えがどうしても頭から抜けなくて 咄嗟の判断が出来ない そんな僕を ゆうごはまた ギュッと抱き締めてくれた 「明日起きたら また考えよっか 家でゆっくりしても どっちでも良いし」 「……うん」 さっきあんなに泣いたのに また涙が出て来そうになって、僕はゆうごの胸に 自分の顔を埋め、そのままゆうごの服を握ると ゆっくり瞳を閉じた トクントクンと聴こえる鼓動は まるで子守唄のようで、僕はいつの間にか 眠りの淵に落ちていった

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