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第32話 感冒 Ⅴ

「ただいま〜」 現在21時 部屋の明かりが点いていた為 普通にドアを開けると、ソファに座っていた創が 俺の元に小走りでやってきた 「お帰りなさい」 「体調どうだ⁇」 「いっぱい寝たから 大丈夫だと思う」 その言葉に 俺は創の額に手を当てた 確かに熱は大分下がっている様で 安堵の息が漏れる 「何か食べた⁇」 俺がそう訊くと 創は申し訳なさそうに眉毛を下げて、俺のジャケットの裾を掴んだ 「…あの…ゼリーと…アイス…食べました…勝手に ごめんなさい」 そう謝る姿に 垂れた耳と尻尾が見える様な気がして必死で笑いを堪えた 「何で謝るの⁇ 創に買ってきたんだから、食べてくれて むしろ嬉しいよ⁇」 俺の言葉を受けて 創の顔が 安心の色に変わる それだけで 俺の心も和んでいくのを感じた 「もう少し食べれそう⁇ うどんとか作ろうかなって思ってたんだけど」 「…食べる」 「ん じゃあちょっと待ってな」 そう言って頭を撫でると、ソファに戻る様促したつもりだったが、俺が着替えたり キッチンに行ったりする度、創が俺の後をついてくるのが 堪らなく可愛かった 「創 まだ完璧に治ってないんだから 温かくして 待ってて⁇」 「……はい」 ねぇ 俺だって 心を鬼にして 言ったんだからさ そんな残念そうな顔するなよ 「…本当に」 抱き締めたくなっちゃうじゃん…

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