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第119話 防疫 XⅠ

「よし 帰ろっか、歩ける⁇」 「うん」 創の全身に日焼け止めを塗り、お互いに買ってきた服を着ると 手を繋いでホテルを出た 創に何か食べてから帰るか尋ねたが、首を横に振られてしまった為 大通りに出ると直ぐにタクシーを拾った 奥に創を座らせ、ドアが閉まるのと同時に 小さい頭を自分の方に寄せると 折り重なる様に自分の頭を乗せた お互い やっと家に帰れるという安堵感みたいなものがあったんだと思う 特に何か話すわけでも無く、創は俺の太腿に手を置いていて 俺はその白い手を上から摩り上げた 指の 一本 一本から爪の先まで愛しくて、タクシーが目的地に着くまで ずっと手を合わせていた

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