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第41話 本音Ⅲ〜side佑吾〜

「…僕…汚いから…」 どんな事をされたら 自分自身をそんな風に思うんだろう 恥ずかしい話 今まで何不自由なく育ってきた俺には、正直 想像もつかない でも 創にこの言葉を言わせてる原因を作った奴らがいる それを考えると どうにかなってしまいそうだった そして 「…創」 俺が名前を呼ぶと ビクッと肩を震わせている 声が低くなってしまったと自分でも分かったが、その事を弁解する前に どうしても伝えたい事があった 俺は創の頬を両手で挟むと、自分の方に 真っ直ぐその視線を向けさせた 「自分の事を そんな風に言ったら駄目だ」 俺がそう告げると 創は驚いた様に目を見開いている 「初めて家に来た時 言っただろ⁇ 創は 綺麗だって…」 心の底から そう思ったんだ だから 自分の事を卑下したりして欲しくないし、その意識を 俺が変えてあげたいと思った 「…ゆうご」 真っ白な肌 青い瞳 黄色がかった白髪と睫毛 桜色の唇 天使な様な笑顔 少し拗ねた表情 愛らしい寝顔 繊細な心 見えない傷 今の創を形作ってる物 全部引っくるめて 「創は すごく綺麗だよ」 俺がもう一度その言葉を伝えると 創は表情を変えず、声も出さずに 大粒の涙を流している この涙と一緒に 創が抱えているモノが、少しでも出て行ったら良いのにと、自然とそう願っている自分がいた

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