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第131話 散髪 Ⅱ

「いや〜、それにしても本当可愛いですね カットモデルとか興味ありません⁇」 「え!?」 「あ、すみません  そういう事は 一切やらせないつもりなので」 困惑の声を上げた瞬間、すかさずフォローに入ってくれた佑吾に 僕はホッと胸を撫で下ろした 「そうですか…残念です  もし気が変わったら、いつでも連絡して下さいね」 そう言われた後、僕にかけられていたケープが外された 顔周りや襟足がスースーして 何だか擽ったい 「うん 似合ってる」 佑吾に髪を触られて、何だか気恥ずかしくなった僕は つい俯いてしまった 「…ねぇ」 「すごい髪の色…」 佑吾がお会計をしてくれている間、そんな声が聞こえてきた チラリと後ろを見ると 色んな人が怪訝な面持ちで僕を見ていて、両手で髪を握り締めると 顔を更に下に向けた 「創」 呼ばても顔を上げられずにいると、佑吾は僕の頭に腕を回して 優しく撫でてくれた 「俺 創の髪好きなんだ」 「…佑吾」 そのたった一言で、僕の落ち込んでいた気持ちを変えてしまう 佑吾は本当に 温かい人だと改めて思った

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